大学にて起業論、ベンチャー企業論を教育する上での留意点

環境問題

今日の我が国は、コロナの影響により、生活の行動範囲の制限、営業活動の制限がなされています。さらには、ロシア‐ウクライナ戦争の影響もあり、生活関連物資価格の高騰で、生活を営んでいくことが困難な環境になっています。

このことと関連して、経済の源泉となる資源エネルギーの変換が課題になっています。この課題は、カーボンニュートラル問題である地球温暖化問題解決と直結する問題です。

こうした地球規模の問題を解決するために、SDGs、ESGの視点を取り入れた教育はグローバルスタンダードとなっており、今後の教育はこうした時代の変化に合致させる必要があると考えます。

さらに「経営」という観点では、不確実性が高い時代だからこそ、既存ビジネスのままではなくG型産業のスケールアップ、さらには新しく生まれ変わったL型産業の創出が必要となってくるのだと考えます。

上記を踏まえて、以下「大学にて起業論、ベンチャー企業論を教育する上での留意点」について述べます。

中小企業・小規模企業は、日本の法人数割合の99.7%を占め、中小企業基本法でも謳っていますが、我が国経済の活力の源泉であると考えられているため、中小企業の発展なくして日本経済の発展はないという思いが強くあります。

また、先日、某大学との関係で、「環境問題、カーボンニュートラル問題を解決に導く事業構想アイデアの提案とそのために協力できること」と題する模擬的な講義を行いました。

この経験も踏まえますと、停滞している日本経済(失われた30年)に風穴をあけるには、これからのマルチステージにおいて、多様な主体が様々な働き方を行うことが必要であると考えるに至りました。
つまり、老若男女問わず今までの終身雇用・年功序列という日本型の働き方ではなく、その良さも踏まえつつも、フルコミットではなくプロジェクト型での働き方なども取り入れるべきだということです。

そして、G型産業のスケールアップとともに、特にL型産業にフォーカスを当て、環境問題のようなグローカルかつ正解のない新しい社会課題対応型(イノベーティブ)な事業を立ち上げ、存続させていくことが肝要であるとも考えます。

そして私は、「社会知性」という概念を重要だと思っています。「社会知性」とは、「自身を孤立した個と捉えず、ローカルな地点からグローバルな関係性を考察し、その課題解決に“質実剛健・誠実力行”を以って取り組む」人材が有すべきものであると考えております。

そして、その人材が、上記課題に取り組むリーダーとして育成していくことが、今後の大学における最重要課題とあると理解しております。

小林 章一

小林 章一

早稲田大学大学院法学研究科博士前期課程修了(法学修士)。現役国家公務員。日本ベンチャー学会会員、日本法社会学会会員、日本中小企業学会会員。行政の現場で法律の策定、多くの産業を支援してきた経験、加えて、個人のスキルアップのため幅広い学問分野に従事してきた学術的経験を活かし、日本が直面する問題の解決を目指す「活きた学問」の追求を目指していきたい。「失われた30年」を取り戻し、日本経済再生のカギになるようなオリジナルで核心を突いた知識・情報の発信を行っていこうと思います。

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小林 章一

小林 章一

早稲田大学大学院法学研究科博士前期課程修了(法学修士)。現役国家公務員。日本ベンチャー学会会員、日本法社会学会会員、日本中小企業学会会員。行政の現場で法律の策定、また多くの産業に関わってきた経験、加えて個人としてのスキルアップのため学問分野に従事してきた学術的経験を活かし、日本が直面する問題の解決を目指す「活きた学問」の追求を目指していきたいと思っています。 「失われた30年」を取り戻し、日本経済再生のカギになるようなオリジナルで核心を突いた知識・情報の発信を行うよう心がけます。

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